2013年5月8日水曜日

中国が出すゴミは世界全体の3分の1:「超圧縮成長」がもたらした悲劇

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●1日、中国の中部地区経済社会発展研究センターの鄭克強主任はこのほど、「現在中国が作り出すゴミは、世界全体の3分の1に相当する。ゴミを科学的に分類し、再利用するなど対策を打ち出す必要がある」と指摘した。写真は北京市のゴミ埋め立て場。


レコードチャイナ 配信日時:2013年5月7日 19時24分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71882&type=0

<中華ボイス>
中国が出すゴミは世界全体の3分の1、環境へのダメージは深刻―中国専門家

 2013年5月1日、中国は言わずと知れた人口大国だが、多過ぎる人口が出すゴミが問題となっている。
 京華時報によると、中国社会科学院と首都経済貿易大学及び国家発展改革委員会は資源に関する報告書で、
 北京市の2009年の生活ゴミは669万トン、1日1.83トンのゴミができていると指摘。
 一方、同市のゴミの処理能力は1日1.27トンが限度で、毎日処理しきれないほどのゴミが出ている。
 このままいけば、北京市の大部分のゴミの埋め立て場所は4~5年で満杯になるという。

 中国の中部地区経済社会発展研究センターの鄭克強(ジョン・カーチアン)主任はこのほど、
 「現在中国が作り出すゴミは、世界全体の3分の1に相当する。
 2030年には米国の3倍ほどになる予想だ。
 2030年には中国のGDP(国内総生産)は米国を抜いているかもしれないが、仮にゴミが米国の3倍であれば環境へのダメージは深刻で、中国人の生活の質が著しく損なわれる。
 これでは何の意味もない。
 政府は都市化の過程で、ゴミを科学的に分類し、無害化処理を行い再利用するなど対策を打ち出す必要がある」
と指摘した。


 アメリカと中国の国土はほぼ同じ広さ。
 人口は中国はアメリカの約4.5倍。
 この豊富にして安価な労働力を武器に中国は短時間で一気に経済成長を呼び込んだ。
 しかし、それは「超圧縮成長」であった。
 確かに経済成長はした。
 時の流れに比例してではない。
 時を飛び越えてである。
 人為的にである。
 人為的にとは、成長に伴う自然環境との整合性をとることなく、という意味である。
 その結果、経済成長というプラスはゲットした、
 と同時に自然環境破壊というマイナスもゲットした
 環境汚染という症状を呈して、それに充分に応えられないという姿が「超圧縮成長」の歪である。
 共産党政権では経済成長優先が基本であり、環境汚染に対しては目先だけで本格的な取り組みはない、と言われている。
 文化革命で多くのものを破壊したように、今度は「経済成長」という題目でまた多くの自然を破壊していくことになる。
 中国という社会は極端な動きをし、多大のロスを生じる世界のようである。
 そして、それは国民国土という犠牲を強いてくる。
 歴史は「チャイニーズドリーム」を演出するか、それは中国を「夢の島:ドリーム・アイランド」とするか、「ラビッシュ・アイランド:ゴミの島」にするか、どちらだろう。
 約14億人の人口が、一気に経済成長して先進国並みの物品を購入するようになった。
 その先進国物品にまつわりついてくる先進国ゴミへの対応もないまま、物品と同時にゴミをも手に入れることになった。
 結果は行き場を失ったゴミだけが、独り立ちして国土にあふれることになる。
 「超圧縮成長」がもたらした悲劇である。


レコードチャイナ 配信日時:2013年6月15日 9時59分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73321&type=0

世界中で使用された中国製品、
「電子ゴミ」となってまた中国へ―国連報告書


●14日、国連がこのほど発表した報告書によると、世界各地で廃棄されたE-Waste(電気・電子機器廃棄物)の約7割が、最終的に中国に持ち込まれ、中国は今や世界最大の電子廃棄物の「ゴミ捨て場」となっている。資料写真。

 2013年6月14日、不用になって捨てられたコンピュータや携帯電話は、最終的にどこに行き着くのだろうか?
 国連がこのほど発表した報告書によると、世界各地で廃棄されたE-Waste(電気・電子機器廃棄物)の約7割が、最終的に中国に持ち込まれ、
 中国は今や世界最大の電子廃棄物の「ゴミ捨て場」
となっている。
 中国経済周刊が伝えた。

 「E-Waste」とは、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、コンピュータ、携帯電話など電子製品・部品の廃棄物のことを指す。
 これらの製品の多くは中国産で、世界各国でそれぞれの役目を果たし、お役御免となった後、「落葉帰根(葉落ちて根に帰る)」の諺通り、最後には再び中国に戻ってくる。
 国連の関連規定では、米国など先進諸国が中国やベトナムなどの発展途上国にE-Wasteを持ち込むことを禁じている。
 このため、膨大な数のE-Wasteが、違法ルートを通じて中国に入ることになり、無認可の小さなヤミ工場で分類・処理され、最終的には富士康(フォクスコン)などの大企業に販売されている。

 ヤミ工場での回収・処理プロセスは、驚くべきものだ。
 国連報告「中国の電子ゴミ」によると、多くの電気・電子機器廃棄物の処理方法は、燃やすか強酸性液に浸すという非常に粗雑なもので、現場の労働者や環境はいずれも、深刻な重金属汚染にさらされ、プラスチック燃焼後の有害な粉末が、大気・土壌・川などに拡散している。

 中国政府関係部門は、E-Wasteが中国に流入することを阻止するために力を尽くし、それなりの効果を上げている。
 しかし、E-Waste問題は依然、中国の経済・社会発展の前に立ちはだかる大きな課題となっている。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)



CNNニュース 2013.06.30 Sun posted at 18:03 JST
http://www.cnn.co.jp/special/cnnasia/35033778.html?tag=top;topSp

中国は「世界最大の電子機器の廃棄場」、
環境汚染も深刻



 中国・貴嶼鎮(CNN):
 パソコンや携帯電話を捨てた後、それらがどこに行くか考えたことがあるだろうか。
 使い古された電子機器の数々は、中国に行き着く。
 国連の報告書によれば、中国はいまや「世界最大の電子機器の投棄場」だ。
 そして、それが現地の人々に多大な健康被害を与える環境破壊を生み出している。

 テレビや冷蔵庫、エアコン、旧式のコンピューターなど、こうした電子機器の多くは中国で作られる。
 そして、世界経済の奇妙なところだが、こうした電子機器のごみの多くは処分のために再び中国に戻ってくる。

 国際環境団体グリーンピースの北京事務所は
 「国連のデータによれば、世界中にある電子廃棄物の約70%が最終的に中国に行き着く
と指摘する。
 米国のような先進国から中国やベトナムといった国々へ電子廃棄物を移送することは国連が禁じているため、こうした廃棄物の多くは違法なルートから入ってくるという。

 いま、こうした電子廃棄物の主要な集積場となっているのが広東省の貴嶼鎮だ。

 町中いたるところで人々がハンマーやドリルを使って家電製品の中身を分解していた。
 道路の脇にはプラスチックやワイヤ、ケーブルといった廃棄物が束になっている。
 部品はそれぞれ、価値や再販の可能性別に選別される。
 ある通りには緑の回路基盤が積み上げられ、別の通りにはデスクトップパソコンの金属ケースが並ぶといった具合だ。

 貴嶼鎮の町はもしかしたら、電子廃棄物のリサイクルが非公式に行われている場所としては世界最大級かもしれない。

 ここでの作業は汚く、危険だ。
 グリーンピースは、中国で見られるような原始的な方法でリサイクルの作業が行われた場合、現地の環境に多大な悪影響を及ぼすと危惧する。
 国連も報告書の中で貴嶼鎮がリサイクル業の影響で環境的にひどい状況に陥っていると指摘している。

 毒性汚染の多くは、基盤回路やプラスチックなどを燃やすことや、銅や鉄といった価値のある金属を取り出すためにわれる塩酸での洗浄などで引き起こされる。
 作業している人々や周囲の環境が、鉛やベリリウム、カドミウムといった重金属に汚染され、灰が空気中や水、土壌に飛散する。

 初めて貴嶼鎮を訪れた人は、目や鼻の穴が焼け付くような感じに襲われるはずだ。

 汕頭大学医学院の調査によれば、貴嶼鎮の子どもたちの多くは血中の鉛が平均よりも高い水準を示したという。
 鉛は脳や中枢神経の発育阻害を引き起こす可能性がある。

 町の外にも廃棄物の山は広がっていた。
 水牛が草を食べる水辺にはたくさんの電子部品が転がっている。
 牛が踏みつけているのはビデオモニターから外された板ガラスだ。
 フラットスクリーンにはたいてい非常に毒性の高い水銀が使われている。

 貴嶼鎮で電子廃棄物を処理している人の多くは貧しい地域からやってきた移民で、ほとんど教育を受けていない。
 彼らの多くは廃棄物処理に伴う被害について、その危険性を甘く見ているようだ。

 ルーとだけ名乗った女性は、リサイクル業について「もちろん、健康的ではない」としながらも、
 「しかし、何世代にもわたりここに住んでいる家族がいるし、そうした人たちの健康への影響は小さい」
と付け加えた。
 移住労働者の中には、作業はつらいが、規則の厳しい工場の生産ラインで働くよりも、ここでの作業のほうが自由がきくと話すものもいた。

 貴嶼鎮の環境汚染については、以前よりも良くなっていると考えているものも多い。

 ワンという男性は
 「2007年に初めてここに来たときは、ごみの山だった。
 金属を洗浄したり、物を焼いたりするせいで肺が深刻なダメージを受けていた。
 しかし、今は、以前と比べれば、当局がかなり厳しく取り締まりを行っている」
と語った。

 しかし、リサイクル業に携わっていない人々は別の考えだ。

 移住してきて同地で農業を営んでいる人々はCNNの取材に対し、井戸水は飲まないと語った。
 さらに、衣類などを水で洗うと黄色に染まると訴える。

 グループの代表者は
 「聞こえが良くないかもしれないが、私たちは自分たちが作った米を食べようとは思わない。
 ここで作られたものは全て汚染されているからだ」
と語る。
 では、誰が農作物を食べるのかと尋ねると、
 「さあ、誰かな。『貴嶼鎮産』とわざわざラベルを張ることはないし、別の場所で作られた米だと表記されるから」
と答えた。

 最近のカドミウム汚染米をはじめとする食べ物に関する不祥事が頻発する中国では、こうした考え方も驚くものではないだろう。

 中国政府は電子廃棄物の流入を制限する取り組みを進めており、貴嶼鎮への流入量も減っているようだ。

 しかし、プラスチックを仕分ける仕事をしていた男性の言い分はこうだった。
 「なぜ、この町にごみが入ってくることを止めようとしているのだろう。
 仕事に影響が出るじゃないか」





【自然生態系破壊:中国】




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