2013年7月14日日曜日

中国の珠江デルタに広がる重金属汚染:専門家は「深刻とは言えない」というが



●11日、珠江デルタで2割を超える土壌から基準値を超える重金属が検出されたことが明らかになった。資料写真。


レコードチャイナ 配信日時:2013年7月14日 19時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74235&type=0

珠江デルタに広がる重金属汚染、
専門家は「深刻とは言えない」
―中国

 2013年7月11日、シンガポール華字紙・星島環球ウェブサイトによると、
 珠江デルタで2割を超える土壌
から基準値を超える重金属が検出された。
 重金属元素による土壌の異常は主に広州から仏山及びその周辺の経済が発展している地域に広がっている。
 化学肥料の過度な使用による汚染が最も深刻だという。

 10日、広東省から選出された全国人民代表が4つのグループに分かれ土壌汚染や補償システム、中小企業の成長、海洋経済などの議題を話し合ったが、その会議で広東省、珠江デルタの土壌汚染に関する調査結果が初めて明らかにされた。

 基準値を超えて検出されたのは主に
●.カドミウム、
●.水銀、
●.ヒ素、
●.フッ素
で、広東省国土庁が報告した国土資源部と広東省人民政府による調査、同省
 農業庁による調査の結果でも、珠江デルタは2割を超える土壌が重金属によって汚染されており、
 農業庁の調査では28%が汚染され、水銀による汚染が最も深刻だという結果になった。
 特に仏山市南海県や新会県、白雲区の汚染が深刻で、基準を50%超えて汚染されているという。

 しかし、ある環境問題専門家は珠江デルタの土壌汚染の「28%」という数字について、
 「一定面積が汚染されてはいるものの、深刻な状況とまでは言えない」
と話す。
 土壌が汚染されているからといって農作物が必ず汚染されているとは限らず
 重金属元素の吸収率は作物によっても異なり、健康への影響も異なってくると指摘している。

 専門家はさらに、現在の土壌汚染に対する対応が行き詰まっていることについて、省国土庁が報告した調査結果は耕地を調査地点にしているわけではないため各地の汚染状況の実態はいまだ明らかになっていないとし、目下農業部による土壌汚染調査が進められているが、汚染を解消するには技術的な条件が整っていないのが現状だと指摘している。



レコードチャイナ 配信日時:2013年7月19日 14時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74472&type=0

淮河流域の「がん村」、奇形魚とがん患者の激増
=表面上の汚染は減少も、化学物質、重金属は存在―中国


●.18日、中国の河南省、安徽省、江蘇省を流れる淮河流域は、近年の汚染によってがん患者が激増している。多数のがん患者が発生している「がん村」の現状について、取材が行われた。写真は淮河で見つかった奇形の魚。

  2013年7月18日、北京晨報によると、中国の河南省、安徽省、江蘇省を流れる淮河流域は、近年の汚染によってがん患者が激増している。
 多数のがん患者が発生している「がん村」の現状について、取材が行われた。
  以下はその内容。

 淮河最大の支流、沙潁河流域の沈丘県は、長年にわたって水の浄化作業が進められ、水質は改善したかに見える。

 霍岱珊(フオ・ダイシャン)氏(60)は、淮河の汚染問題に関わり続けて20年になる。
 「淮河の守護者」と呼ばれる、
 淮河の環境保護の第一人者だ。
 十数年にわたる浄化作業で、霍氏の公益団体は国に貴重な一次資料を提供してきた。

 霍氏は、水質はある程度改善したが、人命を脅かすような目に見えない汚染物質は存在すると述べ、
 「汚染も見えなくなったしにおいもなくなったが、水中の化学物質、重金属などの指標は依然存在する」
と語った。

 霍氏の事務所にある水槽では、奇形の魚が十数匹飼われている。
 背骨がらせん状に湾曲したもの、うろこが異常な生え方をしているものなどがひときわ目を引く。

 「全て淮河の魚です。
 汚染によって魚はほとんど姿を消しました。
 残っている魚の奇形率も非常に高い。
 代々漁業をやっている人たちも、こんな奇形は見たことがないと言っています」

 過去十数年間で、淮河流域には「がん村」が激増した。
 沈丘県杜営村では、1990年代末頃から、原因不明の症状を訴える村民が増え、大都市の病院で検査をしてもらったところ、がんだったという。

 人口2000人あまりの杜営村を、死の影が覆っている。
 杜衛民(ドゥ・ウェイミン)書記によると、2003年から2010年の間は毎年十数人ががんで死亡し、2006年にはある通りに住む8家族全員ががんにかかっていたこともあるという。

 中国疾病予防コントロールセンター、中国科学院地理科学・資源研究所、中国医学科学院基礎医学研究所の研究員が最近出版した『淮河流域水環境と消化器腫瘍死亡写真集』が、がんの発症と水質汚染の直接的関係を証明している。

 霍岱珊氏は、
 「これは、わが国が払った発展の対価についての評価だ。
 だが、どう解決するのか、長期的な計画となる」
と述べた。

 汚染物質の進入経路の摂取である。そのため、「清潔な飲料水」の確保が当面の課題だ。
 今のところ、地下150メートルから300メートルの深層地下水を用いることが最も手近な方法だが、「がん村」では深い井戸を掘ることができない。
 霍氏は、これが喫緊の課題だと述べた。




【自然生態系破壊:中国】


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