2013年7月30日火曜日

ボロボロになっていく中国国土:公害が共産党の可否判断する最重要因

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●The Wall Street Journal
中国湖南省大浦の化学工場近くの農地で、「この作物から得られるものは何もない」と語る農民


ウオールストリートジャーナル     2013年 7月 29日 15:56 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323670304578635142331880764.html
 By     JOSH CHIN, BRIAN SPEGELE 

中国の粗悪な大地

 湖南省大浦は中国の穀倉地帯に位置する雨の多い片田舎の町だ。
 ここで1人の女性の農民が米を育てている。
 自分では決して食べようとは思わない米を、だ。

 この農民によると、農地の隣には国の支援を受けた化学工場が存在し、この工場が地元のかんがい池に直接廃水を放出、池は不凍剤のような青い蛍光色に変化するという。
 水田の中を歩き回ったら足に原因不明の水膨れが足にできたという農民もいる。

 「この作物から得られるものは何もない」。

 農民はかんがい池の向こうにある発育不全の稲の新芽を指さしながら言った。
 彼女が質が悪くて売ることのできない米を作っているのは、
 工場の所有者が汚染に対して支払う補償金の受給資格を得るためだ。
 しかし、その額は土地が健全なときに得ていた収入のほんの何分の1かにすぎない。
 稲は元気そうに見えるが、「本当は中身は死んでいる」という。

 湖南省大浦の農家が経験していることは、
 中国が今や農村部でも公害と戦わなければならない事実を浮き彫りにしている。
 これまで世間が目を向けていたのは拡大を続ける都市部の大気汚染や水質汚染だった。
 しかし、最近のケースから公害が都市部の外に広がり、農業の中心地を含む広大な田園地帯を覆っていることがわかった。

 政府系の研究者の推計によると、中国の耕作可能面積のうち8%から20%、つまり約2500万エーカーから6000万エーカーが重金属で汚染されている可能性がある。
 さらに5%を汚染で失えば、13億5000万人の人口を養うために必要な耕作可能面積2億9600万エーカーの「レッドライン」を下回ることになり、壊滅的な影響が出る恐れがある、というのが政府の見方だ。

 環境問題の研究者によると、中国農村部が汚染された原因は2つあるという。
①.1つは公害産業が遠隔地に進出してきたこと、
②.もう1つは増大する食料需要に対応するために化学肥料が乱用されたこと
だ。
 このような変化を引き起こしたのが急速な都市化である。
 中国では2012年に歴史上初めて都市部の人口が農村部の人口を上回った。

 しかし、都市部の住民の快適な生活を支え、胃袋を満たそうとする努力は部分的ではあるが食物連鎖の汚染を招いた。
 さらに汚染は通常とは異なる形で
──多くの人にとってはさらに恐ろしい形で──
都市部に舞い戻っている。

 米国の研究者で著書「China's Environmental Challenges(中国の環境問題)」を出版したばかりのジュティス・シャピロ氏は
 「公害はある程度しか排除することができないし、周りを壁で覆うこともできない
と話す。
 シャピロ氏をはじめ数多くの研究者や環境活動家
 ──この中には中国国内の研究者らも含まれている──
公害が現政権の存続を脅かすと警告している。
 シャピロ氏は
 公害が「共産党が今後正当性を維持できるかどうかを決める唯一最大の重要な要因となっている」
と指摘する。

 中国は毛沢東の下で1958年に始まり悲惨な結果を招いた大躍進政策の時代から地方の工業化に努めてきた。
 毛沢東は農業生産を犠牲にして裏庭に製鋼炉を設けるように農民に迫り、急速な工業化を実現しようとした。
 数十年にわたって農村部の工業化が進められ、工業生産拡大の波が穀倉地帯にも押し寄せた結果、環境に大きな被害を与えている。
 かつては農業地域だった湖南省と湖北省では2007年から2011年までの間に産業活動が3倍以上増加、工業の中心地である広東省の成長率をはるかに上回った。

 環境問題の研究者によると、工場の地方進出には経済成長を押し上げたい地方官僚の援助で手に入れた安価な土地を生かしたいケースや、都市部の指導者が混雑した都市部から工場を移転させたいケースなどがある。
 規模の小さい自治体の多くは都会の自治体のように産業活動を規制することができず、農村部の公害問題は一層深刻化しているという。

 農村部の公害に国民の注目が集まったのは今年2月のことだ。
 中国の環境保護部が複数年にわたって実施した全国の土壌汚染調査の結果を「国家機密」だとして公表を拒否したからだ。
 弁護士が開示を求めたものの、開示しないとの決定が下されたため、インターネット上で抗議の声が上がり、伝統的なメディアも非難した。

 共産党の機関紙「人民日報」でさえも批判に回った。
 同紙はミニブログに
 「この問題を隠ぺいすれば国民に『うそをつかれている』と思わせるだけだ」
と書き込んだ。

 土壌調査をめぐる騒ぎの翌月、新たな論争が起きた。
 広東省の省都広州市の当局が地元で販売されている米を調査したところ、18のサンプルのうち8サンプルに基準値を超えるカドミウムが含まれていたのだ。
 カドミウムを摂取すると、深刻な腎臓障害や激しい骨の痛みが起きる可能性がある。


●The Wall Street Journal
中国湖南省大浦では2008年に化学工場が設立され、作物の一部は質が悪くて売れずにいる。工場が農家に補償金を払っている

 広州市当局はカドミウムの流出源は明らかにしなかったが、問題の米が近隣する湖南省で生産されていたことを明らかにした。
 カドミウムは一般的に鉱業、亜鉛や鉛のような金属の採掘・精錬、さらには電池製造と関わりがある。
 湖南省ではその3つの産業はどこにでもある日常的なものだ。

 ソーシャル・メディアの利用者は怒りをあらわにした。
 その後2回にわたって州規模の調査が実施され、基準を超える量のカドミウムが検出された米の割合がそれぞれ5.8%と1.4%にとどまったとする結果が出たが、受け入れなかった。

 中国政府の官僚は公害の抑制に真剣に取り組んでいると繰り返し述べている。
 カドミウム汚染米について報道された1週間後、習近平国家主席は北京で行われた最高首脳陣との会議で生態系に関する「レッドライン」の設定を予定していると述べ、これを超えた人間は「一生涯責任を負う」ことになると警告した。
 しかし、国家主席は詳細を示さなかった。

 中国の地方が直面している脅威はカドミウムだけではない。
 今年1月、国営新華社通信は環境保護主義者が「ガンの村」と呼ぶ湖北省沢口を特集、農村部の有害化学廃棄物の危険性を報道した。
 この村では最近60人以上がガン関連の病気で死亡しているが、住民は近くにある工業団地が原因だと非難している。 
ガンで死亡した住民の多くは50歳未満だった。

 その1カ月後、環境保護部はこのような「ガンの村」──ガンの罹患(りかん)率が高く、非政府組織や研究者によると百人単位の患者がいる──の存在を初めて公式に認めた。

 3月になると、国営メディアが浙江省にある電池工場の近くに住む村人168人の血液から高濃度の鉛が検出されたと報じた。
 農村部では以前から電池工場や精錬工場と関連のある鉛中毒が発生していた。

 さらに農地には化学肥料の乱用による負担がのしかかっている。
 環境保護部の高官は最近の記者会見で、中国で使用されている肥料のうち作物が適切に吸収しているのはわずか35%であることを明らかにした。
 残りの65%は農地に深刻な被害をもたらす汚染物資として排出されているという。
 中国で最も広く使用されている肥料の1つである窒素肥料が流出すれば水源が汚染されて、土壌の酸性化や土地の浸食、作物生産の減少が起きる恐れがある。

 国家統計局によると、米などの食料の需要が爆発的に増加していることから2000年から2011年にかけて化学肥料の年間使用量が38%増加し、5700万トンを超えた。
 一方、同じ期間のかんがい農地面積の増加率は約15%にとどまった。

 現在、中国の農村部が抱えるジレンマの多くは湖南省に顕著に表れている。
 湖南省は広州市で見つかったカドミウムに汚染された米の生産地だ。
 湖南省の米の生産量は全国1位で、2011年の玄米の生産量は2600万トン近くに上った。
 これは中国全体の生産量の約13%に相当する。
 400年以上前の明朝末期に生まれたことわざ「湖広熟すれば天下足る」(湖広は現在の湖北・湖南省)は湖南省が国の食料供給の中核を担ってきたことを物語っている。

 しかし、過去数十年で湖南省は銅や鉛などの非鉄金属の生産量で国内上位5位に入るようになった。
 ウォール・ストリート・ジャーナルが省や国の統計に基づいて計算したところ、2012年に全国で生産された非鉄金属のうち、湖南省の鉱山や精錬所が占める割合は7.5%に上った。

 湖南省のカドミウム問題がどの程度広がっているかを判断するのは難しい。
 米から検出されたカドミウムの出どころを正確に指摘するのが難しいのと同じだ。
 南京農業大学のPan Gengxing教授がこの地域の重金属汚染について実施した小規模の調査(2008年に発表)によると、湖南省を含む南部の複数の省の市場で購入した米のうち60%に中国の国家基準を超えるカドミウムが含まれていた。





【自然生態系破壊:中国】


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国内最大の漁場が枯渇する…工場排水垂れ流しで汚染される杭州湾

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●28日、浙江省の杭州湾には中国最大の漁場・舟山がある。しかし、かつては豊富な水産資源に恵まれた舟山漁場だが、近年は隣接する工業施設などから排出される廃水の影響により、漁獲量が激減している。資料写真。


レコードチャイナ 配信日時:2013年7月30日 8時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74857&type=0

国内最大の漁場が枯渇する…工場排水垂れ流しで汚染される杭州湾―中国

 2013年7月28日、浙江省の杭州湾には中国最大の漁場・舟山がある。
 かつては豊富な水産資源に恵まれたこの漁場、近年は隣接する工業施設などから排出される廃水の影響により、漁獲量が激減している。
 現地の今の状況について、中国中央テレビ(CCTV)の経済ニュース番組「経済消息聯播」が伝えた。

 現地の漁師の話によれば、現在の漁獲量は5年前に比べて3分の2まで落ち込んだ。
 以前であれば出漁して5~6時間もすれば魚が獲れたが、今では魚が網にかかるまでに30時間以上かけて遠洋に出ているという。

 浙江省海洋・漁業法執行総隊の陳永祥(チェン・ヨンシアン)副総隊長は、この事実について
 「原因はいろいろあるが、海洋環境が汚染された影響がある」
と語る。
 現在、舟山漁場を含む杭州湾南岸地域には、中国最大の石油化学産業基地やエネルギー基地、さらには印刷・紡績・電気鍍金など汚染物質排出企業が密集している。
 これらの企業が密かに垂れ流している廃水が原因で、近辺の水産資源が激減しているのだ。

 同番組の取材時にも廃水を放出している現場に遭遇した。
 記者が当該企業の現場責任者に指摘したところ、
 「偶然流れ出てしまったもので、量もごくわずかだ」
として故意に行った可能性を否定した。
 しかしながら、同省寧波市観光保護局から記者が入手した「環境違反行為改善通知書」には、その企業が廃水を河川に垂れ流しており、その違法行為を直ちに止めるよう求める内容が明記されていた。
 杭州湾の貴重な水産資源をこれ以上枯渇させないためにも、関係機関には早急な対応が求められている。




【自然生態系破壊:中国】


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黄河「大洪水」の危険高まる:今後数年の間に大洪水が発生する可能性が高い

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●(写真は「CNSPHOTO」提供。甘粛省蘭州市内を流れる黄河。6月24日撮影)


サーチナニュース 2013/07/29(月) 17:35
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0729&f=national_0729_048.shtml

黄河「大洪水」の危険高まる…ダムも砂でいっぱいに=中国

  中国北部を流れる黄河が今後数年の内に大洪水を起こす危険が高まっている。
 黄河の水は大量の泥や砂を含むが、過去十数年に工業・農業用水の使用が劇的に増え、土砂の堆積が増加しているためだ。
 2002年に本格的な供用が始まった小浪底ダムは土砂の食い止めに大きな効果をみせているが、2030年ごろにはダム湖に土砂が堆積して「寿命」を迎えるという。

  黄河はこのところ、毎年のように「大洪水が発生する可能性が高まっている」と発表されてきた。
 黄河下流では、川底が周囲の平地よりも高い「天井川」と化している部分があるので、いったん洪水を起こすと大規模な被害が長期化する可能性た高い。

  増水期である夏には、渇水期に川床にたまった土砂を大量の水が押し流すという現象もある。
 しかし、工業・農業用水の使用の劇的な増加などで、夏期の流量も以前ほどには増えず、「水と土砂のバランス関係」が少しずつ失われている。

  黄河の土砂の問題で大きな機能を発揮してきたのが2002年に本格的な供用が始まった小浪底ダムだ。
 ダム湖の総容量は126億5000万立方メートルで、うち75億5000万立方メートルにまで土砂をためるとの設計だった。

  しかし、すでに同ダム湖には28億立方メートルの土砂がたまっており、2030年ごろには「満杯」になって砂防機能を果たさなくなるとみられている。

  砂防機能を果たすもうひとつのダムとして期待されているのが、現在計画が進められている古賢ダムだ。
 中国水科学院胡春宏副院長は、古賢ダムの供用開始は「早ければ早いほどよい」との考えを示した。

  小浪底ダムが砂防機能を喪失してから古賢ダムの供用が始まった場合、両ダムの合計で黄河下流における土砂の堆積量を累計103億トン減少させることができるが、小浪底ダムがまだ機能しているうちに古賢ダムを供用できた場合、両ダムで下流に堆積する土砂を累計128億トン減少させることができるという。

  黄河下流地域で1958年に発生した大洪水では、毎秒2万2300立方メートルの水が周囲にあふれた。
 現在から55年前の大洪水で、「60年に1度の洪水」と考えてよい。

  1982年に黄河下流地域で毎秒1万5300メートルの水が、周囲にあふれた。
 「30年に1度の洪水」とみなすことができる。
 黄河推理委員会水文局教授級高級技師であり河南省人民代表大会常務委員会委員である王玲氏によると、
 「洪水の周期性と気象の情勢から言って、 
今後数年の間に黄河で大洪水が発生する可能性はますます高まっている
という。





【自然生態系破壊:中国】


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2013年7月28日日曜日

石炭採掘が滞り経済成長にも影響:水資源の不足や汚染が深刻に

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レコードチャイナ 配信日時:2013年7月28日 9時0分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74802&type=0

水資源の不足や汚染が深刻に、石炭採掘が滞り経済成長にも影響―中国

 2013年7月23日、ブルームバーグによると、
 水資源不足が深刻な中国では大量の水を必要とする石炭の採掘が滞り、経済成長に影響しているだけでなく、水資源汚染もますます深刻になっている。
 25日付で参考消息(電子版)が伝えた。

 90年以降、中国の河川の半分以上は干上がり、残っている河川の多くも汚染されてきた。
 豊富な水資源がなければ石炭は採掘ができず、新たな発電所が稼働できないため、経済成長も滞ることになる。
 中国では少なくとも80%の炭鉱が水不足の状態にあるという。

 中国の国民1人当たりの年間水資源量は1730立方メートルで、国連が規定する「水ストレス下の状態」の基準値(1700立方メートル)に近い。
 山西省は中国最大の石炭産地で、産量は全国の約28%を占めるが、同省の1人当たりの年間水資源量は約347立方メートルしかなく、中東のオマーン以下となっている。
 また、内モンゴル自治区と陝西省の石炭採掘量は合計で中国全体の約40%を占めるが、この地区の1人当たりの年間水資源は1700立方メートルを下回っている。

 中国政府は、石炭産業の発展とともに、近隣への火力発電所の建設にも力を注いでいる。
 内モンゴル自治区では、15年までに工業用水のニーズが10年比で141%増になると予想されている。
 しかし、これによって帯水層(地下水を含む岩や土の層)の水資源がさらに減少し、砂漠化が進行するとみられている。

 一方、河川の枯渇や汚染も深刻さを増している。
 中国水利部と国家統計局のデータによると、1990年代と比較して、中国全土の流域面積100平方キロメートル以上の河川は約2万8000本減少している。
 また、12年に出版された米国の学者ジュディス・シャピロの著書「中国の環境挑戦(China’s Environmental Challenges)」によると、
 中国の河川・湖沼の75%は深刻な汚染を受けており、28%は農業水としても使用できないという。

2013年7月14日日曜日

中国の珠江デルタに広がる重金属汚染:専門家は「深刻とは言えない」というが



●11日、珠江デルタで2割を超える土壌から基準値を超える重金属が検出されたことが明らかになった。資料写真。


レコードチャイナ 配信日時:2013年7月14日 19時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74235&type=0

珠江デルタに広がる重金属汚染、
専門家は「深刻とは言えない」
―中国

 2013年7月11日、シンガポール華字紙・星島環球ウェブサイトによると、
 珠江デルタで2割を超える土壌
から基準値を超える重金属が検出された。
 重金属元素による土壌の異常は主に広州から仏山及びその周辺の経済が発展している地域に広がっている。
 化学肥料の過度な使用による汚染が最も深刻だという。

 10日、広東省から選出された全国人民代表が4つのグループに分かれ土壌汚染や補償システム、中小企業の成長、海洋経済などの議題を話し合ったが、その会議で広東省、珠江デルタの土壌汚染に関する調査結果が初めて明らかにされた。

 基準値を超えて検出されたのは主に
●.カドミウム、
●.水銀、
●.ヒ素、
●.フッ素
で、広東省国土庁が報告した国土資源部と広東省人民政府による調査、同省
 農業庁による調査の結果でも、珠江デルタは2割を超える土壌が重金属によって汚染されており、
 農業庁の調査では28%が汚染され、水銀による汚染が最も深刻だという結果になった。
 特に仏山市南海県や新会県、白雲区の汚染が深刻で、基準を50%超えて汚染されているという。

 しかし、ある環境問題専門家は珠江デルタの土壌汚染の「28%」という数字について、
 「一定面積が汚染されてはいるものの、深刻な状況とまでは言えない」
と話す。
 土壌が汚染されているからといって農作物が必ず汚染されているとは限らず
 重金属元素の吸収率は作物によっても異なり、健康への影響も異なってくると指摘している。

 専門家はさらに、現在の土壌汚染に対する対応が行き詰まっていることについて、省国土庁が報告した調査結果は耕地を調査地点にしているわけではないため各地の汚染状況の実態はいまだ明らかになっていないとし、目下農業部による土壌汚染調査が進められているが、汚染を解消するには技術的な条件が整っていないのが現状だと指摘している。



レコードチャイナ 配信日時:2013年7月19日 14時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74472&type=0

淮河流域の「がん村」、奇形魚とがん患者の激増
=表面上の汚染は減少も、化学物質、重金属は存在―中国


●.18日、中国の河南省、安徽省、江蘇省を流れる淮河流域は、近年の汚染によってがん患者が激増している。多数のがん患者が発生している「がん村」の現状について、取材が行われた。写真は淮河で見つかった奇形の魚。

  2013年7月18日、北京晨報によると、中国の河南省、安徽省、江蘇省を流れる淮河流域は、近年の汚染によってがん患者が激増している。
 多数のがん患者が発生している「がん村」の現状について、取材が行われた。
  以下はその内容。

 淮河最大の支流、沙潁河流域の沈丘県は、長年にわたって水の浄化作業が進められ、水質は改善したかに見える。

 霍岱珊(フオ・ダイシャン)氏(60)は、淮河の汚染問題に関わり続けて20年になる。
 「淮河の守護者」と呼ばれる、
 淮河の環境保護の第一人者だ。
 十数年にわたる浄化作業で、霍氏の公益団体は国に貴重な一次資料を提供してきた。

 霍氏は、水質はある程度改善したが、人命を脅かすような目に見えない汚染物質は存在すると述べ、
 「汚染も見えなくなったしにおいもなくなったが、水中の化学物質、重金属などの指標は依然存在する」
と語った。

 霍氏の事務所にある水槽では、奇形の魚が十数匹飼われている。
 背骨がらせん状に湾曲したもの、うろこが異常な生え方をしているものなどがひときわ目を引く。

 「全て淮河の魚です。
 汚染によって魚はほとんど姿を消しました。
 残っている魚の奇形率も非常に高い。
 代々漁業をやっている人たちも、こんな奇形は見たことがないと言っています」

 過去十数年間で、淮河流域には「がん村」が激増した。
 沈丘県杜営村では、1990年代末頃から、原因不明の症状を訴える村民が増え、大都市の病院で検査をしてもらったところ、がんだったという。

 人口2000人あまりの杜営村を、死の影が覆っている。
 杜衛民(ドゥ・ウェイミン)書記によると、2003年から2010年の間は毎年十数人ががんで死亡し、2006年にはある通りに住む8家族全員ががんにかかっていたこともあるという。

 中国疾病予防コントロールセンター、中国科学院地理科学・資源研究所、中国医学科学院基礎医学研究所の研究員が最近出版した『淮河流域水環境と消化器腫瘍死亡写真集』が、がんの発症と水質汚染の直接的関係を証明している。

 霍岱珊氏は、
 「これは、わが国が払った発展の対価についての評価だ。
 だが、どう解決するのか、長期的な計画となる」
と述べた。

 汚染物質の進入経路の摂取である。そのため、「清潔な飲料水」の確保が当面の課題だ。
 今のところ、地下150メートルから300メートルの深層地下水を用いることが最も手近な方法だが、「がん村」では深い井戸を掘ることができない。
 霍氏は、これが喫緊の課題だと述べた。




【自然生態系破壊:中国】


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2013年7月9日火曜日

中国環境汚染史:世界史上最大規模の藻「スジアオノリ」の異常発生

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●6日、「スジアオノリ」という藻が中国沿岸部において史上最大規模で発生。海外メディアはその原因について、「中国の深刻な環境汚染によるもの」と指摘している。


レコードチャイナ 配信日時:2013年7月9日 6時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74056&type=0

藻の異常発生で黄海が緑に、深刻さ増す中国の環境汚染―海外メディア

 2013年7月6日、中国沿岸部で確認されている
 史上最大規模の藻「スジアオノリ」の異常発生
 について、海外メディアは「中国の深刻な環境汚染が原因」と指摘した。中国紙・参考消息(電子版)が伝えた。

 4日付の英紙ガーディアン(電子版)は、山東省青島市で7335トンのスジアオノリを除去し、
 累計で「4万3244トン」を処分したと報じた。
 こうした状況は過去6年間連続して夏の時期に発生しているが、今年藻で覆われた面積は2万8900平方キロメートルと、2008年に記録した過去最大の面積の約2倍に達した。
 スジアオノリが人間に直接害を与えることはないが、大量発生して海面を覆うと水中の酸素濃度が低下し、バクテリアの異常発生で海洋生態系に悪影響を及ぼす恐れがあるという。
 ケンブリッジ大学のブレンダ・パーカー研究員は、藻の異常発生は農業廃水や工業廃水に含まれる大量の硝酸塩やリン酸塩が原因だと指摘する。

 4日付の豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドは
 「異常発生した藻が海を埋め尽くし、黄海が緑に変わった」
と報道。
 波間を埋めつくした緑の藻のなかで泳ぐ海水浴客と、砂浜の藻を除去するブルドーザーの写真を掲載した。
 中国国家海洋局のウェブサイトによると、スジアオノリは約1週間前に出現。
 瞬く間に海全体に広がった。
 最近のスジアオノリの異常発生は生態系の劇的変化によるもので、こうした変化は自然現象ではありえないという。



CNNニュース 2013.07.06 Sat posted at 13:28 JST
http://www.cnn.co.jp/fringe/35034353.html?tag=cbox;fringe

中国・青島で藻が大発生 当局7000トン超除去



CNN)
 中国・山東省青島の海岸に、「スジアオノリ」という藻が過去最大の規模で発生している。
 国営新華社通信が伝えた。

 藻は先月5日ごろから増え始め、その後地元当局が増加を食い止めようと対応したものの抑えきれなかった。
 現地では、複数台のブルドーザーなどで藻をすくい出し、これまでに7335トンを除去した。

 除去作業が進む中、多くの人々が大量の藻の中をはしゃいで泳ぐ姿が見られた。

 中国当局は、異常に高い海面温度が大量発生の原因としているが、豪タスマニア大学の藻の専門家、クリストファー・ボルチ氏は、当局の見解では説明がつかないと指摘する。

 ボルチ氏によると、藻は工場や家庭からの排水などに含まれる高濃度の窒素やリンを栄養素として大量発生する。
 「温度が高いと増殖速度は上がるかもしれないが、これほどの大量発生は栄養分がなければありえない」
とボルチ氏は語る。

 ボルチ氏は、通常スジアオノリが人間に害を与えることはないが、大量発生して海面を覆うと水中の酸素濃度が低下したり、藻が死んで腐敗しバクテリアが発生して、海洋生態系に悪影響を及ぼす恐れがあると指摘する。



レコードチャイナ 配信日時:2013年7月9日 0時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74111&type=0

6年連続で緑藻の大量発生、海上が「草原」に―山東省青島市

 2013年7月8日、中国・山東省青島市では、海流や南風などの影響で、6月末から7月初めにかけ緑藻が大量に押し寄せた。
 新京報が伝えた。

 同市の一部の海水浴場は一面緑藻に覆われ、まるで草原の様な風景を作り出していた。
 同市政府は海上で網を張り緑藻の侵入を防いだり、緑藻の回収作業を展開したりと対策を打ち出した。
 作業が滞っている場所では緑藻が腐乱し異臭を放っていたという。

 同市の海水浴場の責任者は、
 「2008年以来海水浴場は連年緑藻の被害を受けているが、今年が一番ひどい。
 緑藻が海水浴場に大量に侵入したことにより海水浴ができず、現地の観光にも悪影響を与えている」
と話した。

 同市政府の統計によると、今月4日時点で黄海海域の緑藻は400平方キロメートルに達し、青島市海域では295平方キロメートルにわたり緑藻が覆っていた。
 4日までに同市は陸区域で5万1072トンの緑藻を回収。
 その甲斐あって、翌5日には同市近海海域の大分部で緑藻の「草原」が消えた。

 ところが、同市政府は今後も緑藻が増加し、再び緑藻の「草原」が出現する可能性が高いと発表している。
 緑藻の発生に原因について、海水の富栄養化が原因だと指摘する声が聞かれるが、具体的な原因については依然研究段階だという。


 中国の環境汚染は、地上、空中、地下、そして海ととどまるところを知らない。
 中国の発展と軌道を一つにして、どこまでもどこまでも広く大きく進展していくのであろう。
 それは中国が経済発展という最大看板を降ろさない限り、終わりはこないのだろう。
 環境をボロボロにすることで得たのが経済発展ということになるが、動き出した歯車は破壊されるまで止まらないのかもしれない。 



【自然生態系破壊:中国】


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2013年7月5日金曜日

工業用水か、それとも飲水か?:石炭需要の急増により水資源不足が深刻化

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石炭産業発展を見直すか、それとも水不足を看過するか


レコードチャイナ 配信日時:2013年7月5日 7時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73975&type=0

石炭需要の急増により水資源不足が深刻化―中国

 2013年7月3日、環球時報は記事
 「米メディア:中国石炭需要が増加、水資源不足は深刻化
を掲載した。
 米国のニュースメディアが中国の水不足を取り上げた。

 内モンゴル自治区シリンゴル盟シリンホト市は褐炭の産地。
 電力不足が深刻な北京からわずか数百キロという地理的条件もあり、新たな炭鉱と下流企業を育てるには理想的な場所だ。
 唯一の問題は石炭産業が大量の水を必要とすること。
 この地は中国で最も水が不足している地域でもある。

 ある民間非営利団体(NPO)によると、中国の工業用水の過半数は炭鉱、発電、コークス生産など石炭関連産業によって占められている。
 また、炭鉱の85%は水不足が深刻な北部に集中していることも、石炭産業と水資源の深刻な摩擦に拍車をかけている。

 電力不足を解決するべく、中国は2015年までに16もの大型石炭工業センターを建設する予定だが、それらが稼働すれば年に100億立方メートルもの水を必要とする。
 黄河の流水量の4分の1という膨大な量だ。
 今や中国は石炭産業発展計画を見直すか、それとも水不足を看過するかの選択を迫られている。

 シリンホト市では渤海から600キロにわたるパイプラインを引き海水を利用する計画を立てている。
 数十億ドルを擁するこの計画は5年前に中央政府に提出されたが、いまだに認可が下りていない。

 もっともこの計画が認可されたとしても、それだけで問題が解決するわけではない。
 炭鉱では落盤や出水事故を防ぐために採掘前に地下水を抜くのが一般的だが、その影響で近隣の地下水位が低下。
 井戸が枯れ、一般市民の飲料水が不足する問題が深刻化している。




【自然生態系破壊:中国】

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