2013年7月30日火曜日

黄河「大洪水」の危険高まる:今後数年の間に大洪水が発生する可能性が高い

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●(写真は「CNSPHOTO」提供。甘粛省蘭州市内を流れる黄河。6月24日撮影)


サーチナニュース 2013/07/29(月) 17:35
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0729&f=national_0729_048.shtml

黄河「大洪水」の危険高まる…ダムも砂でいっぱいに=中国

  中国北部を流れる黄河が今後数年の内に大洪水を起こす危険が高まっている。
 黄河の水は大量の泥や砂を含むが、過去十数年に工業・農業用水の使用が劇的に増え、土砂の堆積が増加しているためだ。
 2002年に本格的な供用が始まった小浪底ダムは土砂の食い止めに大きな効果をみせているが、2030年ごろにはダム湖に土砂が堆積して「寿命」を迎えるという。

  黄河はこのところ、毎年のように「大洪水が発生する可能性が高まっている」と発表されてきた。
 黄河下流では、川底が周囲の平地よりも高い「天井川」と化している部分があるので、いったん洪水を起こすと大規模な被害が長期化する可能性た高い。

  増水期である夏には、渇水期に川床にたまった土砂を大量の水が押し流すという現象もある。
 しかし、工業・農業用水の使用の劇的な増加などで、夏期の流量も以前ほどには増えず、「水と土砂のバランス関係」が少しずつ失われている。

  黄河の土砂の問題で大きな機能を発揮してきたのが2002年に本格的な供用が始まった小浪底ダムだ。
 ダム湖の総容量は126億5000万立方メートルで、うち75億5000万立方メートルにまで土砂をためるとの設計だった。

  しかし、すでに同ダム湖には28億立方メートルの土砂がたまっており、2030年ごろには「満杯」になって砂防機能を果たさなくなるとみられている。

  砂防機能を果たすもうひとつのダムとして期待されているのが、現在計画が進められている古賢ダムだ。
 中国水科学院胡春宏副院長は、古賢ダムの供用開始は「早ければ早いほどよい」との考えを示した。

  小浪底ダムが砂防機能を喪失してから古賢ダムの供用が始まった場合、両ダムの合計で黄河下流における土砂の堆積量を累計103億トン減少させることができるが、小浪底ダムがまだ機能しているうちに古賢ダムを供用できた場合、両ダムで下流に堆積する土砂を累計128億トン減少させることができるという。

  黄河下流地域で1958年に発生した大洪水では、毎秒2万2300立方メートルの水が周囲にあふれた。
 現在から55年前の大洪水で、「60年に1度の洪水」と考えてよい。

  1982年に黄河下流地域で毎秒1万5300メートルの水が、周囲にあふれた。
 「30年に1度の洪水」とみなすことができる。
 黄河推理委員会水文局教授級高級技師であり河南省人民代表大会常務委員会委員である王玲氏によると、
 「洪水の周期性と気象の情勢から言って、 
今後数年の間に黄河で大洪水が発生する可能性はますます高まっている
という。





【自然生態系破壊:中国】


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